中村一美個展
2014年9月5日 – 2014年10月2日
レセプション:2014年9月5日(金)18:00〜20:00
TALK SHOW
中村一美 x 吉竹美香(ハーシュホーン美術館彫刻庭園アシスタント・キュレーター)
日時:2014年9月19日(金)19:00〜20:30
会場:Kaikai Kiki Gallery
入場料:無料
吉竹美香
ハーシュホーン美術館彫刻庭園アシスタント・キュレーター。
University of California, Berkeley 及びUCLAでアートヒストリーの学士号・修士号を持ち、2012年、同学部博士号を習得。同年、ロスのBLUM&POEギャラリーで「REQUIEM FOR THE SUN: THE ART OF MONO-HA」という、もの派のグループ展をキュレーション。このグループ展はAICAによる「コマーシャルギャラリーでの最高展覧会賞」を受賞した他、戦後日本のアートに対するブームを起こした。
吉竹美香からのメッセージ
この度中村一美さんと公的な会話を行えることを大変光栄に思います。私自身の「もの派」の研究を通じて、またLA MOCAで村上隆さんの回顧展に関わる仕事をしたことから、私は常に(非生産的に「ポスト物派」と呼ばれる)一世代のアーティスト達を位置づけた1980年代という時代に、またポストメディウムの条件に関わらず起こった日本における「ニューペインティング」の登場を取り巻く一連の理論について、興味を持ってきました。中村氏が「もの派」の中心的存在である榎倉康二に師事したことを知った今、私は後者(榎倉氏)の主義の核心である関係性(縁起)という考えが中村氏の作品や活動、特に初期の「差異的イメージ」というコンセプト(イメージはそれ自身以外のものを指し示すことによって活性化され、意味というものは原則的に相関的な動作形態を通して定義される)に転換されているのかどうか、またどのように転換されているのかについて知りたいと思っています。
私はまた、同時期1980年代のアメリカにおける活動から中村氏を区別する、氏のペインティング活動における主要な用語/表現にも非常に興味を持っています。この時代はモダニズムからの断固とした認識論的決裂によって特徴付けられており、そこでは信憑性や表現の直接性に対するいかなる言及も不正なものとなり、表現主義自体が無意味なものとなりました。中村氏の作品/活動は、その時代を特色付けたネオコン(新保守主義)の模倣とポストモダンのアプロプリエーション(流用)アートという大きな分裂の狭間の部分に関与しながら、生産的にその外側に位置するものでした。よって私は中村氏自身の語る反論物語、バブル経済のただ中における日本の文化的時代精神の中での体験や挑戦、企業産業界の盛衰、そして制度化されたアート、デザイン、建築の構造について伺いたいと思っています。
最後に、私は中村氏の作品の印象的な独特性と隠されたパワー、彼の個人的でありながら同時に政治的な芸術理論、そして彼のペインティングを「社会的意味論」の一形態であるとする哲学的なアプローチに強く惹かれています。
展覧会を拝見し、中村氏に直にお会いできることを心待ちにしています!
トークショー
中村一美 x 吉竹美香(ハーシュホーン美術館彫刻庭園
アシスタント・キュレーター)
日時:2014年9月19日(金)19:00〜20:30
会場:Kaikai Kiki Gallery
入場料:無料
詳細はこちら
Zingaro関連企画
トークショー:中村一美 x 村上隆
「偏りすぎた現代美術講座3
中村一美による中村一美論を村上隆が徹底的に聴きこむ会。
ー絵画を死ぬまで描き続けよ!ー」
日時:2014年9月13日(土)18:00〜19:30
会場:Zingaro Space(中野ブロードウェイ2F)
入場料:3000円(ワンドリンク付き)
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展示「中村一美:社会意味論」
日程:2014年9月13日〜10月2日
会場:Hidari Zingaro(中野ブロードウェイ3F)
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※個展開催期間中は、Kaikai Zingaroでも展示を行います。
Kaikai Zingaro
東京都中野区中野5-25-15 中野ブロードウェイ2F