"Respiration"

ob

2011年1月14日 – 2011年2月12日

*毎週土曜に「おやつの時間」あります。
15:00より16:00まで、アーチストが
◯◯◯のフォンデュをふるまいます。
チーズ? チーズ? カスタード? 生クリーム?
どんなフォンデュかは、その日のお楽しみ。

ぜひ遊びに来てください。

obちゃんは18歳。

2010年、日本のアートムーブメントの1つのあり方に、ソーシャルネットワーキングを使ったコミュニーケションによる、アーティスト同士の交流方法の変質という現象がありました。
ネット上でのコミュケーションから派生し、現実界での交わりを密接に行うその場として、展覧会場が設定される現象が同時多発的に出現しました。その代表格が東京の「カオスラウンジ」と京都を基盤とした「oooo」です。obはその双方で作品を発表し、かつ大きな存在感を表出させました。

obちゃんは京都芸術高等学校で、3年間、美術史と絵画実技を勉強し、作品の影響の中には、クリムトドガルドンヘンリー・ダーガー奈良美智までが含まれています。2010年9月に18歳で美大を自主退学。現在はプロの絵描きとして朝から晩まで制作漬けの日々です。

今日本のアート業界の核心部分はオタクとの連関がテーマとなっています。若い世代はサブカルチュアーという文脈とは「無縁」となっている。むしろ、「オタク」との決別の突破口を探している。0年代のアートは完全に「オタク」を棚上げにした。しかしそれは逆説的な意味において、意識過剰な環境だったと言えます。

今現在18歳のobちゃんの中では、目の大きなキャラクターが作品の主題になり続けている時点でオタクというコテンクストも既に空気のように存在してはいるのですが本人は全く意識していない。むしろオタクとの背反する距離感を感じている。しかし、だからといって、80年代初頭まで日本現代美術界にはびこっていたデュシャンや抽象表現主義の亡霊の片鱗もなくなった。西欧式ARTのコンテクストが無く、奈良、村上、そしてオタク的文化環境が表現の基盤となっている。歴史の断絶が明確に存在しているのだが、当人は歴史との並走を信じるという特殊な状況が彼女のオリジナリティを保証しているとも言えます。京都のooooギャラリーを基盤に、wassyoiというグループ展をキュレーションしたり、そのキュレーションする際にソーシャルネットワーキングを使っての仲間集めなどが、obの活動の本体であった2010年。19歳になる誕生日前に18歳のうちに個展をやる事にこだわった作家の想いと社会環境とのハーモニーのコンテクストを是非読み解く喜びを共有して欲しい。

obの絵画展は、今までの現代美術の鑑賞方法とは違った角度で望んで頂けるとスリリングな今を、あなたの言葉で、イメージで、発見出来ると思います。

村上隆

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