もっと大きな壺といつものうつわ
綻びを力に変えて

尾形アツシ

2017年11月25日(土) – 2017年12月20日(水)
開廊時間 :11:00 – 19:00
閉廊日:日曜・月曜・祝日
レセプション:2017年11月25日(土)18:00〜

Photo Tomohiko Tagawa

超巨大壺に見る、陶芸家・尾形アツシの真髄

カイカイキキギャラリーでは、11月25日(土)より、
尾形アツシ個展「もっと大きな壺といつものうつわ/
綻びを力に変えて」を開催いたします。

雑誌の編集長として働いていた尾形アツシは、1996年に脱サラし、愛知県立窯業高等技術専門学校で陶芸を学び始めます。卒業後は愛知県瀬戸市で制作を開始し、2007年に工房を移転してからは奈良県を中心に活動しています。現在は、2009年に築窯した登り窯で土ものを中心に作品を制作しており、土の質感や表情を出すため、釉薬をかけずに焼成された焼き締め作品や、刷毛目や粉引を多用した土化粧の作品を多く制作しています。

2012年12月にOz Zingaroにて開催された個展「大きな壺といつものうつわ」の流れを汲む本展では、尾形の制作の基本であるうつわ1,000点ほどに加え、大壺を十数点、さらなる限界に挑戦した、高さ約2mにも及ぶスケールを含む超巨大壺5点を展示いたします。

奈良の工房から信楽の陶芸の森に通い巨大壺を制作する中で、尾形はうつわという自身のテリトリーから離れてゆく感覚と向き合うことになりました。制作中、割れやクラックがあってもうつわとしての存在感のあるもの、土の存在感が残っているものに自身が惹かれていることに気づき、うつわ作りにおいても、少し「綻(ほころび)」があることが自身のスタイルであると再認識します。素材を最大限引き立たせることのできる大きさや形の重要性に立ち返った尾形は、うつわの制作が自身の基本であり、そこに腰を落ち着けながら他のものを見ていくという姿勢で超巨大壺を完成させました。

挑戦によって見つめ直された尾形作品の真髄と進化を、是非ご高覧いただけますようお願い申し上げます。