ギャラリーペロタンポップアップギャラリー
村上隆 個展「円相」
2015年10月31日 – 2015年11月21日
開廊時間 :11:00 – 19:00
閉廊日:日曜・月曜
レセプション:2015年10月31日(土)18:00〜20:00
ギャラリーペロタンは、東京のカイカイキキギャラリーにてポップアップギャラリーをオープンし、村上隆による「円相」展を開催致します。この展示は、森美術館にて2015年10月31日より2016年3月6日まで開催される日本で14年ぶりとなる村上隆の大型個展「村上隆の五百羅漢図展」と同時に開催されます。
この「円相」展で、ギャラリーペロタンは村上隆の新作の「円相」シリーズの作品を展示致します。これらの新作では日本の書画における最も有名なモチーフである円相を主題にしています。円相(円形を意味する)は禅における、空虚、統合そして無限を象徴しています。
近年、村上隆は禅宗の偉大な人物たちを描いてきました。禅の創始者である達磨大師。のちに後継者となる師の達磨に、僧侶の恵可が捧げた手を描いた慧可断臂図、そして、欲、憎しみ、惑いを克服する事で悟りに達し、前世のカルマの遺物を破壊する500の仏の弟子である羅漢を描いた全長100メートルの最新作の五百羅漢図。村上は2011年の東日本大震災と津波を受けてこの五百羅漢図を描き、また震災は村上の制作の方向性を根底から変える事となりました。
「円相」は彼の作品で静かに継続する精神的活動から生まれる、村上隆にとって、また別の悟りを表現しています。円相とは全ての創作活動の前提ともいえる、心を無にして体の動くままに創作する瞬間を意味しています。伝統的に滑らかで熟練した筆遣いで描かれる円相において、心変わりは許されません。村上は円相を彼のユニークなやり方で、彼の作品の象徴であるお花とドクロを重ねた上にスプレーを使って表現します。円相は日本文化へのオマージュであり、複雑な芸術的および精神的歩みを経て、より自由なミニマリスト的実践へ回帰することなのです。
村上隆は、日本画において博士号を取得、綿密な最先端の技術と伝統的な日本芸術の技巧を組み合わせて作品を制作しています。漫画や「カワイイ」文化に着想を得た、村上の魅惑的な世界には、古来の神話から生まれたユニークな子孫、怪物のような魅力的なキャラクターたちが溢れています。
村上が2000年に提唱したスーパーフラットという美学的理論は、大衆芸術とハイ・アートの境界線を曖昧にしようとするものです。また、それは、日本の広島原爆投下後の状況に対する日本の理解の変遷、前衛アート、漫画、アニメ、それらの元になった浮世絵版画の相互関係を模索してきました。先に挙げたようなメディアには、遠近感の不在、古来日本美術の二次元性が深く浸透しているのです。
1995年に海外初の個展をギャラリーペロタンで開催して以来、村上隆は最も有名な現代アーティストの一人として知られてきました。世界中の美術館やアート施設で開催された数々の個展で彼の作品は展示されてきました。2010年、フランスのヴェルサイユ宮殿の敷地内で個展が開催され、2012年にはカタールのドーハ(Al Riwaq Exhibition Hall)にて、カタール国立博物館(QMA)の主催で「Murakami – Ego」展が開催され、全長100mの大作「五百羅漢図」が展示されました。
森美術館での「村上隆の五百羅漢図展」および「円相」展と同時期に、村上隆自身の個人コレクションを集めた展覧会「村上隆のスーパーフラット・コレクション ―蕭白、魯山人からキーファーまで―」 が、横浜美術館にて2016年1月30日から4月3日まで開催されます。
このポップアップギャラリーでの展示に合わせ、ギャラリーペロタンは全128ページのカタログを発売致します。解説文は橋本麻里氏、村上隆とエマニュエル・ペロタンによる序文が掲載されます。