Utanhole個展「Zipgunslingers」

 

Utanhole個展
「Zipgunslingers」

 

Utanhole

2026年11月4日(水) – 11月28日(土)
開廊時間:11:00〜19:00
閉廊日:日曜日・月曜日・祝日
※Art Week Tokyo期間中(11月4日(水)~11月8日(日))は、毎日10:00~19:00まで開廊いたします。

オープニングレセプション:
2026年11月4日(水)18:00~20:00

トークイベント:
小林正人 x Utanhole
2026年11月7日(土)15:30〜16:30
(参加無料、予約不要)

Utanhole Zipgunslingers
Zipgunslingers, 2026, Oil on canvas, 2273 x 1818 x 38 mm ©Utanhole

だいじなものが脅かされた時には、誰もが武器を取らなければいけなくなるかもしれない。そしてそれは、もし「あらゆる暴力を許さない」と叫んだとしても、自分の中から綺麗に取り除くことのできるようなものではなく、個々人が生きてる限りつねに孕んでいる可能性として、潜在的には毎秒向き合っている選択肢かもしれない。

わたしたちの理想的な鏡像としてのキャラクターたちが、手製の武器を手に取っている。空想の物語のなかの、スペクタクルな戦いのプロップとしてというよりもむしろ、現実のなかでありうる手段として。武器を脅威として見せつけることで自分を守ったり、持て余したり、戯れたり、目を背けたりしている。それこそがわたしたちの姿ではないかと思うから、そういう絵を描いています。

わたしにとって漫画やアニメ、ゲームの表現は、現実を認識するための母語のようなものです。それは、わたしたち自身が直面している現実と、現時点では、あるいは表面上は平穏な日常とを接続させるためのメディウムのようなものでもあります。

Utanhole


村上隆によるテキスト

Utanholeさんの絵と出会ったのはInstagramです。ストリートカルチャーをまとめている「welcome.jpeg」というサイトで、体に爆弾を巻き付けている自画像の絵、を発見しました。その後、その絵はまとめサイト登場をきっかけに、爆発的に拡散して日本の今の象徴のようなアイコンに育っていきました。

東京藝大の油絵科に在籍していた方だということ。日本人でした。すでに都内で個展をやられていたりもしたので、ああ、もうダメかなと思ったけども、ギャラリーのスタッフに作家さんに会いに行ってもらうことになりました。

そうすると、意外にも、我々のギャラリーのアートフェアでも作品を出してくれるのもやぶさかではないということで、早速シンガポールのアートフェアからオファーさせていただいて、其処からご縁が出来ました。

Utanholeさんのお名前は、アメリカのスラング「asshole=アースホール」をもじったもの。直訳するとケツの穴!意味は「クソ野郎」「嫌な奴」「ろくでなし」「馬鹿者」。海外ドラマでは相手を強く罵ったり馬鹿にしたりするときによく使われてます。ご本人のお名前は「ゆいか」。その「ゆ」の母音を、幼い子どもの発音のように強調して「ウーちゃん」、そこから「うーたん」というあだ名が生まれたようです。そして、この「うーたん」に「asshole」を組み合わせて、「Utanhole」という、自分自身を自虐するような感じのペンネームにした、とのことでした。なかなか手強い作家さんです。

2001年福岡県生まれ。幼少期から漫画家を目指し、高校時代まで漫画を描く。
その後、2021年に東京藝術大学に油画科に進学して絵画を学んでいます。

彼女の作品は、油絵のエデュケーションを受けているんですけれども、鉛筆の線を主線にして、油絵は薄塗りのぺちゃぺちゃしていて水彩画のようです。それがとても今時っぽい気がしました。

僕が40年前に、東京藝術大学に在籍していた頃、現代美術が流行り始めており、油絵そのものを描く人は少なくなっていたものの、その中で小林正人さんという方が、マティスとクレーを掛け合わせたような絵面を薄塗りで白い天使を描いていて、そのあたりの系譜からこういった薄塗りの油絵作品というのが散見され始めたような記憶があります。
つまり、この画風は極めて東京藝術大学の油絵科的と言えましょう。

Utanholeさんは現代社会を彼女のジャーナリスティックな批評眼でもって切り取っており、刺激的な架空のアイテムを掛け合わせることによって、心象風景を構築していると思います。

現在、彼女が生活しているのは東京の中央線沿線であり、まさにサブカルチャーが百花繚乱している地区です。アニメーションスタジオなどもたくさん存在し、とてもクリエイティブなムードの街の中にUtanholeさんのスタジオがあります。
スタジオの中はウォン・カーウァイの主人公たちが生活しているような、とてもおしゃれな雰囲気で、洒脱なライフスタイルを送っており、そんな中での制作が作画のムードを作っているのでしょう。

制作ペースは年に15~20枚ぐらいとの事。

今回の個展は、日本の社会への批評的な見識というのが存分に発揮された作品群です。
青春真っ只中のUtanholeさんのフレッシュな絵画に刮目してみてください。

村上隆


Utanhole

2001年福岡県生まれ。2025年、東京藝術大学美術学部絵画科油画専攻卒業。東京を拠点に活動。

漫画やアニメ、ゲームの表現を「現実を認識するための母語」と捉え、実在する都市風景とキャラクターを組み合わせた絵画を制作。柔らかな色彩や繊細な線で描かれる画面には、戦争や宗教事件を想起させるモチーフと、人物たちの私的な感情や空想が共存している。現実に対する不安や、理想への執着など、個人の内面にある矛盾した感覚を描き出す。

2023年、安宅賞受賞。主な個展に「新・家族計画」(2023年、AMMON TOKYO)、自主企画個展「Fall」(2025年、AMMON TOKYO)。2026年より、カイカイキキギャラリーを通じて「ART SG」「Frieze Los Angeles」「アートフェア東京」「Art Basel Hong Kong」など、国内外のアートフェアで作品を発表。

©Utanhole


開催概要

Utanhole個展「Zipgunslingers」
会期:2026年11月4日(水)~11月28日(土)
オープニングレセプション:2026年11月4日(水)18:00~20:00
開廊時間:11:00~19:00
休廊:日曜・月曜・祝日
※Art Week Tokyo期間中(11月4日(水)~11月8日(日))は、毎日10:00~19:00まで開廊いたします。
会場:カイカイキキギャラリー
〒106-0046
東京都港区元麻布2-3-30 元麻布クレストビルB1F

Art Week Tokyo

本展は「Art Week Tokyo」の開催時期にあわせて実施いたします。
Art Week Tokyoは、東京の主要美術館・ギャラリーが連携して行う国際的なアートイベントで、毎年11月に開催されます。専用バスで複数会場を巡る独自の形式を特徴とし、現代美術を中心に東京の多様なアートシーンを国内外に発信しています。
会期:2026年11月4日(水)~11月8日(日)
公式サイト:https://www.artweektokyo.com/


 

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