タカノ綾個展、いよいよ明日!
ああ、本当にいよいよなんですね。
タカノ綾の日本での展覧会。
海外では美術館も含めて、年2、3回のペースで
ずっとやってきたけれど、日本ではなんと8年ぶり。
これだけ久しぶりだと、その成熟ぶりも、
逆にくっきり劇的に見えてくる、というもの。
ここで自分のことを言うのもなんですが、
カイカイキキで初めて担当した作家がタカノ綾だったんですね。
その昔、タカノとはそれまでほとんど接点もないまま
一緒にロンドンのフリーズアートフェア行って、
ポール・マッカシーのオープニングで興奮しまくったり、
ゼラティンのインスタレーションの中で裸になっちゃったり、
キルティン・ダンストが「アヤのファンです〜」って会いに来てくれたり、
毎日お祭りみたいな珍道中で仲良しになって帰ってきて、
そして、作ったのが、パルコミュージアムでの個展。
タカノは3か月で24枚もの新作を描きまくり(まさに限界突破!)
私もまだ博報堂だった森本千絵さんに宣伝や本のアートディレクションを
お願いしたり、記事も仕込みまくったり、まあ、いろいろと頑張りました。
アーティストの才能について、作品作りのプロセスについて、
タカノには、本当にいろいろなことを教えてもらいました。
だから、私にとってはタカノ綾は、特別な思いのあるアーティストなのです。
と、そんなタカノ綾の
今回の個展のタイトルは「すべてが至福の海にとけますように」。
パルコの「都会犬」と比べると、
ここにもタカノの変化が読み取れるようです。
SFの世界に生きていた若いTOKYOガールが、
現代の神話の語り部へと成熟しているような…
メインピースは半年かけて描いた6mのオイルペインティング。
実際に訪れて、破壊と日常が同居する奇妙な美しさに打たれた
被災地の浜辺がモチーフになってます。
そして、フラワーアーチスト東信さんとのコラボレーションは、
ギャラリーの中に森が出現。
福島産も含む国内200種以上の植物に、タカノの立体作品だけでなく、
被災地にはためいていた「希望の黄色いハンカチ」や、
デコトラや懐かしいおもちゃがコラージュされて、
さまざまな記憶が呼び起こされる、日本の肖像となっています。
前に立つと、たちこめる緑の匂いに包まれて。
ちなみに、東さんとタカノは同じ年なんですね。
会場に流れる音楽は、ジョセフ・ナッシングさんのオリジナル。
波や鳥の鳴き声など自然音だけで作られた音楽が
絵の中の海や動物や花と呼応して、ここにしかない世界を作り出しています。
そんなタカノ綾個展のオープニングは明日18時から。
素晴らしい作品群とジョセフさんのDJや日舞や新内節、
てんこ盛りの趣向がお待ちしております!
タカノ綾
「すべてが至福の海にとけますように」
カイカイキキギャラリー
2014年3月6日 – 2014年4月2日