"ART STAGE SINGAPORE"

2012年01月12日 – 2012年01月15日

アートステージシンガポールにてカイカイキキギャラリーは「らっせーら」展を行います。「らっせーら」展は、obとカイカイキキの共同キュレーションによって行われます。

参加アーティストは以下の通り。
ob、巻田はるか、藤川さき、あんこ、佐藤弘明、大濱絵里、玉川桜、レーザービーム、すずきすずかず、けーし ん、藤井由依、きくおの12名。

ネットでつながった仲間達と緩い繋がりを強化してゆく儀式的な場として展覧会を機能させている、SNS世代。展覧会は祝祭空間、と言う意味において、シンガポールでのショウをお祭りと設定。「らっせーら」とは、青森ねぶた祭の山車引きの掛け声。日本のハロウィーンのような死者の魂を呼び込むお祭りのかけ声ですが、そこから、展覧会の祝祭空間を呼び込もうと、決定したタイトルです。

2011年、東北地方では津波と地震と原発の大事故により、壊滅的な打撃を受け、今、日本は国のあり方そのものを問い直す、そうした時期を迎えており、混乱の中に希望を見いだしたいと言う気持ちを展覧会を造る作者達は込めたようです。

日本は国家のあり方そのものが第二次世界大戦後から歪んだままであり、米国への国防の依存を根本として、なにもかもが曖昧で無責任に成長してしまいました。そんな無責任体質の中から湧いて来たミュータント文化。「おたく」。漫画、アニメ、ゲーム等の趣味的な世界が100%支配する世界観の中でのみ生きて行く事を選択した人種を「おたく」と言います。

「おたく」は1980年代より台頭して来て、いまや日本文化を構成するマジョリティーへと成長してしまいました。そうした「おたく」的なゲーム文化に浸って来た日本人の若者文化は、実際の社会内コミュニケーションが希薄となり、挨拶、礼儀、作法等、日本の歴史的な生活様式における美意識がことごとく解体してしまい、かつ、何においても無責任な状況を許し合う、「どろどろ」の環境が出来上がっています。

その「どろどろ」の中から這い出ようとするのか。もしくはその中に積極的に留まり、あえて無責任を文脈化するのか。今、日本の文化人はその選択を迫られています。世界の物質主義がどんどん進化し、子供の頃に出会うであろう日本の「おたく」 文化。アイドルやマンガが世界の子供達の心を掴んではいますが、その発生の実態と進 化の中に潜む病根を理解し、人間の醜悪な姿が美へと消化される芸術の不思議が現在進行形で進んでいます。

「らっせーら」展はその選択を決定する方向性を見せる展示と言うよりは混沌とした「どろどろ」そのものをおみせしてしまうような、ある意味、現代日本の恥部的な姿と言えるでしょう。

しかし、その恥部をまずさらけ出し、社会とのコミュニケーションの場=展覧会で真価を問い、「どろどろ」からの脱出の手がかりを掴みたい、という若者の悲痛な叫び展となるでしょう。

カイカイキキは、現代アート作家である村上隆が、 作家の目線に立って、若手アーティストのスカウト、育成、マネージを行う世界でもユニークな組織です。後進のアーティストを育てることへも情熱を持ち、アートフェアGEISAIを主催し、若手アーティストが世界へ羽ばたく機会を創出してまいりました。

そのギャラリー部門は2008年にはじまり、若手作家の作品に対しても発表の場を提供してきました。現在は、日本の東京と台湾の台北市にあり、それぞれ展覧会を運営して来ております。

2011年からはカイカイキキ名義のギャラリーとは別の、さらに若く、これからプロの世界に入ろうという作家にもチャンスを与えるギャラリーも開設し始め、フレッシュで実験的な展覧会を、話題とともに送り出しています。

ART STAGE SINGAPORE