"Psyche"

BOME

2009年12月11日 – 2009年12月23日

鬼娘 1 by うたたねひろゆき(大), 1994
1750 x 700 x 950mm
メディウム)ウレタン塗料、FRP、ガラス球、鉄
©Hiroyuki Utatane / COMIC HOUSE
©KAIYODO Co., Ltd. All Rights Reserved.

美少女フィギュア アーティストのパイオニアBOME、展覧会を開催

海洋堂スター造型師、BOME。
20年にわたって美少女一筋に作り続けてきた原型の数は200体以上。
2Dアニメの少女たちの、平面的魅力を保ったまま3次元に出現させる特異能力は、発生時には『奇跡の技』と讃えられ数名の原型師達が今あるフォームに辿り着く起源を造り上げました。エポックであり歴史の始まりである存在は、彫刻家というジャンルではない、独立した存在意義を社会に認知させています。
一方、美意識の帰結点は、意外や仏師達の日本の立像の遺伝子も感じさせます。

タイトルの「Psyche/プシューケー」はギリシャ神話のキューピットの恋人。愛の試練のために生きながら冥界の川を渡ったところから「魂」「心」を意味し、サイコロジーやサイケデリックの語源でもあるこの言葉に、現実の模写ではなく、イマジネーションの表現であるフィギュアを作るBOMEの気持ちが込められています。

本展において、オリジナルな「限定作品」が登場。
二人の人気漫画家とのスペシャルコラボレーションが実現します。
「ああっ女神さまっ」の藤島康介さん。「エア・ギア」の大暮維人さん。
どちらもBOMEからのリクエストは「鬼娘」をテーマにとオファーされました。BOMEの重要なモチーフである「鬼娘」は、オタクフィギュアの紀元を創設した、高橋留美子「うる星やつら」のラムちゃんへの強いオマージュなのです。「オタクとはなんだ?」と自問せざるを得なかった世代だからこそこだわるその発生起源と自分自身の存在意義の確認は、アーティストの持つ実存主義への疑義への誠意と変わりありません。

※大暮維人さんの作品は、制作の関係上本展には出展されませんでした。