BENEATH THE SURFACE

ZES

2019年1月25日 – 2019年2月15日
開廊時間 :11:00 – 19:00
閉廊日:日曜・月曜・祝日
レセプション:2019年1月25日(金)18:00〜

※展覧会は終了しました。
沢山のご来場、誠にありがとうございました。

カイカイキキギャラリーでは2019年1月25日より、アメリカ人アーティストZESの個展「BENEATH THE SURFACE」を開催いたします。

ロサンゼルス出身のZES (別称ZESER、ZES MSK)は、ギャングによる暴力行為や政府主導で繰り広げられた麻薬撲滅キャンペーンのもとでアメリカが荒廃を極めた1990年代に、グラフィティライターとしてのキャリアをスタートさせました。 荒れたストリートを生き抜くために自身の直感とサバイバル能力に頼らざるを得なかったZESは、幼い頃から自立心を植え込まれ、街を自らのジャングルジムとして利用することを恐れませんでした。 12歳でグラフィティを始めてからは、まず手が届かないだろうと思われるような壁や出っ張りにどんどん複雑化していくマーキングを残すことで、常に自分に挑戦し続けました。 15歳になる頃には既に伝説のグラフィティ集団MSK (Mad Society Kings) の一員となっていたZESは、しばしば高層ビルやビルボードによじ登るなどして、極限的な場所に猛烈に野心的な作品を残すことで知られるようになります。 以後20年間で、彼の実験的かつアグレッシブなアプローチはグラフィティに革命的な影響を与え、やがて彼自身も世界のシーンにおいて、伝説と崇められるようになります。

グラフィティライターとして名を上げたZESは、2012年に初のギャラリー展を行い、作品の支持体を壁からキャンバスに移した屋内展示にも打って出ます。 ZESの創作過程は長年に渡り危険なシチュエーションで制作を行ってきた経験を通じて形作られたもので、作品には切迫感やむき出しの感情といった印象的な特性が与えられています。 そしてそれらの特性は、スプレー缶やローラー、ブラシといった、作家と一緒にLAのあちこちを旅してきたツールの数々によって、増幅されるのです。

本展「BENEATH THE SURFACE」は、波乱と分断の様相を呈する今のアメリカを生きるアーティストが、一個人として歩んできた道のりを象徴する最新作をご紹介いたします。 赤そして青という、色相という観点からも、またシンボリズムという観点からも真逆の関係にある二つに色味を限定した一連の作品群では、社会的なコンテクストが持つ影響力に着目した作家が、それを弄ぶように俎上に載せています。 それらのペインティングはどれをとってもふたつとない独立した作品なのですが、鑑賞者はどうしても第一印象で、(赤と青という)二つの対照的なグループのいずれかに属するものとして認識してしまいます。 その間違った二分化に、ZESは、キャンバスという輪郭を超えて野放図に走っていこうとする筆の線を通じて異議を唱えているのです。 本展で見られるZESの創造プロセスは、細胞や有機体が時間をかけて増殖していくように積み重なって、峡谷のごとく盛り上がっては沈む塗料のテクスチャーと相まって、今のアメリカを支配するものごとを極端に単純化したり政治化したりする風潮から距離を置いたひとりの人間としての、彼の成長や苦闘を鏡のように映し出しています。 そしてグラフィティ時代にそうであったように、ZESはここでも境界線の内側に留まることを拒み、個人としてのアイデンティティに忠実であろうとしてはばかりません。 本展は、そんな作家の孤高な魂と精神性に、最も純粋かつ率直なかたちで迫ります。 日本では初の個展となるこの機会に、堰を切ってあふれ出すZESのエネルギーをギャラリーにて直に感じ取っていただければ幸いです。

作家から本展に寄せて

ずっとグラフィティをやってきたおかげで、どんなサイズや種類の表面にも強引にペイントをのせていけるようになった。 自分をコントロールしながら、グラフィティというアートを通じて感情を表現していく方法も覚えたよ。 でも今回の個展では、そういう歴史を背負いながら、なんとか自分のマーク(目印)に忠実であろう、そしてこれまでに発展してきて、これからも進化し続ける何かをひとつの形にしてやろう、ともがきながらペインティングを描いてる自分がいる。

ZES

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