Serious Works

オースティン・リー

2017年3月3日 – 2017年3月30日
開廊時間 :11:00 – 19:00
閉廊日:日曜・月曜・祝日
レセプション:2017年3月3日(金)18:00〜

Eyes, 2017
Acrylic on canvas
1828.8 x 914.4 mm

カイカイキキギャラリーは、3月3日(金)よりオースティン・リーの日本初となる個展を開催いたします。

1983年生まれの彼は、彼らの世代にとって日常であるピクセルデータを、デジタル感性のままに、たやすくペインティングに移行してみせるデジタルネイティブの作家として、注目を浴びつつあります。

アート業界の最新情報がUPされる『artnet』では、2016年11月の「現代アートの未来を形づくっていくポテンシャルを秘めた、世界の注目すべき新進アーティスト10人」に選ばれるなど、関心を集めています。

しばしばiPadを使ったデジタルスケッチからスタートされる作品は、落書きのような輪郭、フラットなグラフィックライン、2次元と3次元が共存する構図といった、現代的なビジュアル言語を持ち、また、「ペインティングすることより、Photoshopを使ってきた時間の方がずっと長いと思う。

だから何か問題があったときにPhotoshopでそれを解決するっていうのは、僕にとってごく自然なことなんだ。」と作家自身が語るようなプロセスを経て、バーチャルと実体の間をさまよう現代人のアイデンティティを垣間見せます。

作家からのメッセージ

村上さんは、私と私の作品に対して、とてつもなく大きな影響を与えました。そんな彼のギャラリーで展覧会ができるのは、大変な栄誉です。
このことにより、私は現在・過去・未来の作家と私がどのような関係にあるのか、について考えるようになりました。今回の展覧会は、そんな私の思考にいくつかの考えを足した結果です。

絵を作ることは、多くの行動と思考を伴う。
絵を見ることは、よく鑑賞し思考することである。
つまり、絵は、世界とそこにいる人々を投影する思考の媒介物である。

Austin Lee

オースティン・リーについて

オースティン・リーさんは、iPadやジーブラシなどのツール、ソフトウェアを使ってアート作品を造っている、若い世代の作家さんです。
そもそもボクサーだったとも言うし、いろいろ不思議です。ふにゃふにゃして、グダグダっぽい仕上がり、不真面目っぽい主題の選び方、等、人間の複雑な脳内を覗き見れるような大変奥深い作風です。いや、一般の人には、浅い、だれにでも描ける、造れる、単純なものに見えるでしょう。でも、それでいいんじゃないかな~と。芸術って、普通の人が観る視点と、プロが観るところって全く違うから。プロは、その作家の心棒がどのへんにあるのかを見極めるから。

最近AIの在り方が騒がしく、将棋や囲碁、チェス等、知的なゲームとされている分野にAIが幅を利かせてきていると思います。芸術にももちろん、直ぐにその魔の手は伸びてくるでしょう。しかし、オースティン・リーの作品は、そういう魔の手を「あはは」とすり抜けるような人間の持ってる、ゆらぎの骨太な気配が感じられます。おまけに、この作品をオフィスなんかに掲げるとニッコリ出来てしまう、そんな効能も期待できます。どっちにしても、作家の真摯な制作姿勢を、現物を見てもらって感じてもらいたいと思います。

村上隆

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